スマートフォンとタブレット(androidと熊本)

[アンドロイド・ジャパン]

アンドロイド・ジャパン ―日本企業の命運を握るプラットフォーム―

アンドロイド・ジャパン ―日本企業の命運を握るプラットフォーム―

androidプラットフォームの周辺事情が分かりやすく網羅的に書かれているので、皆さんも読んでみてください。
話題の中心はandroidですが、スマートフォンタブレットの利点、iOSwindows Mobileとの対比なども言及されていますので、スマートフォン事情について整理できるのではないでしょうか。
本書の中にある

「意識のコンピューティング」,「無意識のコンピューティング」

という言葉が印象的でした。
今後のアプリケーション/サービス開発は、利用者に『意識させない事』がポイントになると思います。
(高齢者やこれまでパソコンを活用していなかった人達につかってもらうために)


[パソコンの普及率]
統計局ホームページ/III 地域別主要耐久消費財の所有状況
パソコンや携帯電話の都道府県別所有数量を見てみましょう。熊本県のパソコン所有数量は全国でも低い部類に入ります。
熊本県は農業県であり、デスクワーカーの比率も低いため、企業におけるパソコンの所有数量も少ないと予想されます。
IT企業にとっては、県内向けのアプリケーション開発の機会は限られている状況です。


一方で携帯電話の所有数量はどうでしょうか。こちらはなかなかの普及率です。
携帯電話を操作できるリテラシーを持つ方が多いと捉える事ができると同時に、スマートフォン利用の予備軍も多いと考えることができます。
パソコンはデスクワーカーのツールでしたが、スマートフォンタブレットは非デスクワーカーや高齢者のツールとして活躍してくれます。
スマートフォンタブレットの普及が熊本のアプリケーション利用を促進し、IT企業の皆様の活躍の舞台を広げてくれるのではないかと考えます。


[スマートフォンタブレットが活躍する舞台]
《時間と場所をとらないスマートフォン
外回りの営業活動を例にとって『パソコン』と『スマートフォン/タブレット』を比較してみましょう。
外出先でメール確認する場合、パソコンの場合は『場所の確保(喫茶店や車に移動)』、『パソコンを開く』、『アプリケーションの起動』の3アクションですが、
スマートフォンの場合はほぼ1アクションです。
しかも本人が意識してアプリケーションを開くのではなく、着信やアイコンの変化に気付いて(きっかけはアプリケーションが与える)アイコンをタッチすれば、そのままアプリケーションが起動します。
携帯電話の感覚で、その場で、もしくは移動しながらの確認が可能です。
(マナー的には『ながら』のスマートフォン利用は問題になりつつありますので注意が必要ですね)


《対話に向くタブレット
また、商談時にはタブレットPCが効果的です。
パンフレットや提案書など、お客様と横並びでの説明が可能です。
(お互いに画面を指差しながら、様々な情報を複合的に確認できる)
コミュニケーションにお互いの指が加わる事で、理解のスピードが増し、誤解が発生する余地も減ります。
写真や動画等を交えながらの説明も可能ですし、必要に応じて契約書、約款、マニュアル等、様々なデータを引き出せます。


商談以外にも、医療・介護や教育。あるいは屋外での作業サポート等、様々な活躍のシーンを思い浮かべる事ができますね。


[アプリ開発iOS】 or 【android】 or 【Windows Phone】]
これからモバイル向けのサービスを提供しようと言うベンダー企業様へ。
スマートフォン向けのアプリケーションをどのプラットフォームで開発するかについて私見です。

いくつかリンクを紹介しておきます。

ますます熱いスマートフォン! iPhone vs. Androidを徹底比較 | ライフハッカー[日本版]
国内スマートフォンOSシェア、アンドロイドがアップル抜く:MarkeZine(マーケジン)

個人利用でなく、業務利用の場合、現時点ではandroidが良いと考えています。
(制約が多くて申し訳ありません)
理由は配布上のルールや制約が業務アプリケーション向きである事と、開発言語にjavaが採用されている2点からです。
javaという言語の評価はさておき、開発者人口の多い言語であり、開発者を得やすいといえます。
eclipsejavaプログラマーにとってなじみのある環境だと思います。
すでにjavaプログラマーを多数抱えているベンダーさんにとってチャンスではないでしょうか。
eclipse(開発環境)については、後日、改めて記事を作成します。


また、プログラム無しでアプリケーションを作成するためのツールも存在します。
誰でもAndroid開発できるApp Inventorの基礎知識 (1/3):App Inventorでアプリ開発はどこまでできるのか(1) - @IT
どのくらい使えるかは、改めてレポートしたいと思いますが、ユーザー企業様がエクセルのマクロ感覚でアプリケーションを作成できる環境も揃いつつあると思います。
androidアプリはガリガリとコードを書いてプログラミングするよりも、サービスとサービスを繋ぐ感覚(以前、マッシュアップという言葉が流行りました)です。
ユーザーサイドが自力で作成するという選択肢もあって良いと思います。


[スマートフォン以外の端末]
androidの舞台はスマートフォンタブレットだけではありません。
業務用端末やテレビ、デジタルフォトフレームなどもその範疇です。(場所を選ばないという表現が適切かもしれません)
本来、ITを活用していただきたい高齢者の方は、パソコンは毛嫌いされる事が多いですが、テレビは喜んで視聴されますし、お孫さんや旅行の写真をデジタルフォトフレームで楽しまれています。
androidでの開発された製品の市場は広く、熊本でも活用の場を多く見出せると考えています。


ソニーが『4スクリーン戦略』を発表しています。参考にこちらもリンクを上げておきます。
ソニー「4スクリーン」戦略に活路 携帯合弁子会社化 :日本経済新聞