Unity勉強会

Unity(Products - Unity)は非常に簡単に3Dゲームを開発することが出来るゲームエンジンです。
GREEなど様々な会社の募集広告にも『Unity技術者歓迎』の文字が目立つようになりましたし、デジタルサイネージをはじめとして、様々な(3D)コンテンツ作成に活用する企業が増えています。

崇城大学熊本県)の和泉先生(書籍も出されていますhttp://www.amazon.co.jp/Unity%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E2%80%953D%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%92%E4%BD%BF%E3%81%84%E3%81%93%E3%81%AA%E3%81%99-%E5%92%8C%E6%B3%89-%E4%BF%A1%E7%94%9F/dp/4877832750/ref=sr_1_6?s=books&ie=UTF8&qid=1348043530&sr=1-6)は、東京や福岡をはじめとした様々な企業からUNITY開発に関する相談を受けられており、需要の高まりと技術者不足を実感されているそうです。

「熊本でもUnityの利用促進を図って、ゆくゆくは技術者を輩出したいですよね」

という雑談から、和泉先生に『初心者向け』の勉強会を開催していただきました。
Unity初心者向け勉強会@熊本 : ATND

私も参加しましたが、和泉先生がゆっくり教えてくださった事もあり、初めてでも(おそらくプログラム経験の内方にも)ついて行く事ができました。ビックリするほど簡単に、マップをつくったり、キャラの動作を定義することができます。開発環境として素晴らしいと思いましたし、触っていて楽しいです。

ゲームエンジンと捉えると、業務アプリやWEB制作を行われている会社さんは畑違いのように思われるかもしれませんが、C#javascript(的な言語)で記述できますし、活用場面もアイデア一つだと思います。
一度、どういうものか触ってみられてはいかがでしょうか?
勉強会に参加していただければ、細かいところで躓く事もないと思います。(参加しての実感です)

USTのログはこちら↓
kuug

和泉先生主催のFBグループも作成してありますのでご興味のある方は是非↓
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10月5日に第二回の開催を計画しております(ATNDで告知予定です)。
次回は、実際に活用されている企業の技術者さんをお呼びしてお話を聞く場を準備中です。
前回参加された方も、初めての方もご参加ください。

また、会場の準備やUST中継についてはASD株式会社さんにお世話になりました。
ASDさんは様々な勉強会で会場を提供してくださっています。
いつも有難うございます。
ASD株式会社 (エーエスディー) - 小規模システムによる業務効率化を目指します -


福岡のイベント、明星和楽でもUnityワークショップが設置されていました。
今が旬の技術かもしれませんね。
明星和楽 | クリエイティブとテクノロジーの祭典

第三回開発プロセス勉強会

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平日開催

平日夜に2時間のコンパクトな形で開催してみましたが、こちらの方が気軽に行えそうです。
また、今回はグループディスカッションを中心に据えてみました。
意見交換も活発な印象を受けましたので、次回もこのスタイルで開催しようかと考えています。

熊本で開発プロセス勉強会を行う意味

会の中でもお話しましたが、新しい開発手法やツールの紹介、もしくは体験型のワークショップをこの会の中心に据えるつもりはありません。
もちろん、必要に応じて盛り込みます。皆の知らない良いものを知っている方にはどんどん紹介していただきたいです。
ですが、そういったものは大きな都市で行われている会の方が内容が充実していますし、情報も新しいです。
新幹線のおかげで博多には30分で行けます。ネットや書籍にも情報は溢れています。情報収集の手段には事欠きません。

この会では、手法やツールのローカライズや現場適用、あるいは広い視点での問題解決にスコープを当てたいと考えています。
例えば、デスマーチの原因が単なる人手不足で、その原因が予算不足なのであれば、お金の集め方の部分にフォーカスした方が解決が早い場合もあると思うのです。
会の話題は、手法やツールにとどまらず、市場分析や業界分析、営業段階や運用段階の話、助成金の活用方法、ときには経営視点での話題も交えていく予定です。
中心は、開発の現場の問題解決ですので、ビジネス方面に広がり過ぎないように注意しますが、物作りの前後の話題も積極的に取り上げていきます。

例えばこのような会話が交わされるイメージです

1.現状分析、問題共有    
 「自分のチームでは(熊本は)△△を行っていて、〇〇は良い所で、××は問題。」
 「〇〇をやりたいのだが良い方法はないですか?」
 「〇〇をやってみたら上手くいきました(上手くいきませんでした)」
 「熊本のお客様の平均的な予算から、この分野での受託開発はそもそも成り立たないのでは?」

2.解決策の模索       
 「〇〇というツール(手法)があって、このような効果があります。」
 「〇〇という制度があるので活用してみては」
 「△△〇〇といった説明の仕方をした方が理解されやすいのでは?」

3.熊本(所属先)への適用  
 「△△ツール(手法)を使うには、うちではこのような工夫を加える必要がある」
 「〇〇をチームに浸透させるにはどのようにしたらよいでしょうか?」
 「〇〇をやりたいが活用できる補助金はあるか?」

*熊本と謳っていますが、県外の方のご参加、大歓迎です。

WEB制作との比較

個人的な意見ですが、業務アプリケーションの世界とWEB制作の世界をくらべると、開発プロセスに関して(特に顧客との関係構築について)はWEB制作の世界の方が先にいっている(シンプルでwinwinに近づいている)のではないかと感じています。

・できる事が具体的に顧客に提示されている
・ゴールイメージの共有が出来ている
・開発(制作)が逐次的に行われている(というより定期的な更新があたりまえ)
・料金も運用に対して支払われている(定額制)ケースが増えている

今回はWEB制作の世界と比較する事によって問題を再度あぶり出し、業務アプリに関わる技術者とWEB制作に関わる技術者で一緒に問題解決に取り組んでみよう(ディスカッション)してみようと思いました。

フロンティアビジョン株式会社 渡邊社長

ホームページ制作、SEO対策のフロンティアビジョン|熊本市
今回は、ディスカッションのお題と基調プレゼンテーションをフロンティアビジョン株式会社の渡邊社長にお願いしました。
フロンティアビジョンさんは地元を中心に多くのWEBサイト構築を手がけられ、来年には創業10周年を迎えられる会社さんです。
渡邊社長は各所で起業やWEB制作について講演されていますが、今回は

◆WEB制作の事
◆WEB制作と受託開発(業務システム)の違い
◆熊本の中小規模のお客様の事情

などご自身の経験を交えながら分かりやすくお話していただきました。
また、熊本での中小企業向けの開発の難しさの原因として

・予算の低さ
・ゴールの曖昧さ(目的、仕様)
・プロジェクトオーナー、メンバーの不在・不足

等をあげられていました。

私も、中小向け独自の難しい部分を感じた経験(むしろ大企業相手の方が楽な部分も多いように思います)があり、頷ける部分の多いお話でした。
システムが完成して、保守フェーズになってもシステムのお守りをする方がいらっしゃらないので、(予算もないので)IT企業側では(お互いにですね…)さらに苦労します。
これが、そのまま熊本(地方都市)のIT普及率の低さに繋がっているのかもしれませんね。

そして、ディスカッション用にいただいたお題がこちらです

「熊本の中小企業向けの受託開発でクライアントも開発側もハッピーになるためのビジョンは?そしてそのために必要な事は?」

ディスカッション

お題:「熊本の中小企業向けの受託開発でクライアントも開発側もハッピーになるためのビジョンは?そしてそのために必要な事は?」

上記のお題を3チームに分かれてグループディスカッションしました。
今回は、時間が押してしまい、30分という短い時間で解決策を考えていただき、5分という枠の中で発表してもらいました。
以下の記事には発表後にインタビューした内容も含めてあります。

Aチーム発表

ユーザーも開発者も、お互いの本分があり、埋めがたい利益相反の部分は残るので、コミュニケーションで無理をしすぎない(時間をかけすぎない)事も大事なのでは。
その溝を埋めるためにコンサル等の第三者を立てて仲介させるのも一つの方法。
熊本では予算不足を自治体の助成金で補うケースが多く、その多くはITC等のコンサルタントを立てる必要があるので、予算獲得においても有効。

Bチーム発表

一つ一つ手作りしていては採算が合わないし、優れたシステムも完成しない。
ユーザーを巻き込んでサービス化を目指し、完成したものをシェア(あるいは他所へ提供)する方向を目指すべき。

Cチーム発表

クライアントとのコミュニケーションを諦めたくない。
アジャイル手法を取り入れるなど、試行錯誤を繰り返し、ユーザーを引き寄せる努力を継続していく。
アジャイルの考え方は熊本では浸透していないので、こういう手法や考え方があることを広めていきたい。
また、いろいろな助成金があるのに熊本のIT企業はうまく活用できていない(外部の企業に活用されている)。
自治体からのアナウンスにもアンテナをしっかり立てて、しっかり活用していくべき。

まとめ

Aチームの発表とCチームの発表は補完関係にあり、ユーザーに合わせて組み合わせて行く事が有効であるように感じました。
渡邊社長のコメントで
「県内のIT企業の得意分野を組み合わせて活用してもらえたら、そのための仕組みや場所をどんどん作って行きたいですね」
「WEB制作の世界のデザインを業務アプリのフロントエンドに活かしたい」
などありましたが、県外、海外の企業に伍して行くにはコラボレーションも重要だと思います。
そして、良い仕組みが生まれたら、Bチームの発表にあるようにサービス化して、県外にも提供して行く形を目指したいですね。

この会も、外から仕入れた知識や手法を我々の現場に適用して、成功例がでたら県外に向かって発信していく、そのようなサイクルを目指したいです。

安定企業=成長途中の企業

先日、ルネサス工場再編のニュースがありましたが、熊本も、まず錦工場がその対象になっています。
九州はシリコンアイランドと言われていただけに、身構えるべきニュースですね。
http://www.asahi.com/digital/nikkanko/NKK201207060017.html

県は、工場の存続を要請とありますが、要請にこたえる余裕がルネサスにあるか。
仮に、今回、閉鎖を免れたとして、それが長期的な解決(県の雇用問題)となるか疑問です。
ルネサスが再建策を熊本県に説明 知事、錦工場存続を要請 :日本経済新聞

短期的には、大きな会社(特に工場)を誘致すれば雇用は増えるでしょうが、中長期的な安定を求めるのは難しい時期だと思います。
ならば、いっそベンチャー企業の誘致(もしくはスタートアップの支援)に(もっと)補助金をまわしてみてはどうでしょうか。
熊本の創業支援は県内の創業者に対して行われていますが、県外(海外)のアイデアや種を取り込む動きに予算をかけてみてはどうかと思います。

私の仕事柄、IT系の話になってしまいますが、営業拠点を東京や海外において、『開発拠点は地方都市』という形態は今後も増えて行くと思います。
九州にも魅力的なIT企業が少しづつ誕生しています。これらの会社の多くは世界に向けてサービスを展開させています。
そうなると、開発拠点が東京か福岡か熊本かなどは、小さな問題なのかもしれません。

生活の場として、熊本(九州)は素晴らしいところだと思います。
食べ物が美味しくて、阿蘇と天草(他にも沢山の自然)があって、温泉もいたるところにある。
従業員の健康を考えるなら最高です。人件費も安く抑えられます(家賃や食費が安いので、生活費にかける金額は東京の頃より大きく下がりました)。
足りないものは情報と刺激でしょうか。これは同業社が増えていけば勝手に盛り上がっていくと思いますし、その素地はあると感じています。

また、ベンチャー企業で働く人の何割かは、いずれ企業にチャレンジします。
(個人的な感覚値ですが、5人の会社であれば、一人は3年内に自分でチャレンジすると思います)
ベンチャー企業やスタートアップを数社招く事が、鼠算式に新たなチャレンジを産む事に繋がります。
極端な成功例がシリコンバレーですね。

とはいえ、県や市がベンチャー企業(やスタートアップ)の見定めをするのは、撤退しない工場の見極め以上に難しい事かもしれません。
もし、スタートアップ時のDeNAGREEが補助を求めて来た場合、県はそれに応えたでしょうか?
また、200人の雇用を生む工場への補助金が2億だったとして、同じ金額で、1000万ずつ20社のベンチャーを招いたとします。
5年後にどうなるか(何人の雇用に繋がるか)…確立の高いギャンブルではないでしょうね。大当たりの可能性はありますが。

スタートアップの誘致であれば、お金をかけないで、県や市だけに任せないでやれる事もあると思います。
少し前にこんな記事がありました。
【話題】『山村にIT企業進出』、徳島県神山町総務課に聞く | 財経新聞

熊本でも空き家や空き店舗がいたるところで目に付きます。
これらを有効活用できないものでしょうか。

県や市が用意した施設でも、審査が厳しい、または価格の問題で100%活用されていないと聞きます。
地域においても、身元の分からない人に貸すくらいなら「空けておいた方がまし」という声は根強いです。
なんだかんだ言いながら、日本はまだまだ豊か(選り好みしている状態)で、リソースは余っているのではないでしょうか。
規制が強すぎるか、我々にしみついた贅沢や欲のせいで活用できていないものは沢山ありそうです。

逆に、リソースを提供しても良いという場合があっても、それが情報として現れないケースも多そうです。
リソースの所有者がネットにアクセスしていないため、必要な人間に情報が届かないなど。

地方でのスタートアップに特化した物件情報サイトなんて、そろそろ出てくるかもしれませんね。
家賃をタダにできるモデルが見つかれば面白いと思うのですが、どなたか…

介護支援とIT

とある勉強会で、表題の件についてディスカッションする機会がありました。
参加者はIT企業を中心に様々な業種から、そして学生さんの参加もありました。

iBizQ

この勉強会は”W.I.N.E PARTY feat.iBiz-Kumamoto”という集まりで、毎月第二金曜日に開催されています。
トレンドの技術やツールをビジネスに生かす方法をブレストしたり、様々な分野の現状と問題点の解決策をディスカッションします。
毎回、各分野からゲストをお招きし、デモンストレーションもしくはプレゼンをしていただいた後に、グループディスカッションをして、グループ別に発表を行います。

本家は福岡のiBizQ(iBizQ Community)というグループでこちらは毎月第三金曜日に開催されています。
4月から熊本でもを開催するようになって、今回が三回目です。
1回目のテーマは「kinectとARに触れてみる」、2回目は「レンタルショップ(チェーン)の現状と問題点」。
そして3回目の今回が、表題の「介護支援の現状と問題点」です。

介護支援の現状と問題

今回は地域包括支援センターのセンター長をお呼びして、認知症とその支援についてお話をしていただきました。
認知症の中でも、「若年性」の場合は、親御さんや子供さんがいらっしゃるケースが多く、より深刻な問題があるようです。
今回は、症状と支援の実状についてのお話の後に、以下のお題をいただきました。
(いずれか一つの解決策をディスカッション)

  1. 徘徊捜索時の支援
  2. 若年性認知症の患者さんの生活・就労支援
  3. その他

GPSや指紋認証など、活用できそうな技術は沢山有りますが、個人情報保護や、家族の方の心情的な問題から展開法が問題となります。
また、現状では、認知の方の情報が(例えば警察や消防で)一元的に管理されていないそうです。

ディスカッション後の発表も、技術的な問題よりも、ビジネスモデル的な内容が多かったように感じました。
自治体主導でないのであれば、例えば、徘徊捜索の仕組みを作ったとして、そこに参加する方の頭数が増えない事には機能しません。
ボランティア以外の方を巻き込む動機付けの部分で様々なアイデアが発表されました。

一部ですが、会の様子がこちらです。Facebookにログイン | Facebook

W.I.N.E PARTYへのご参加お待ちしています

本会はIT企業からの参加が多いですが、業種やお仕事は問いません。
参加してくださる方、ゲストプレゼンしてくださる方、大歓迎です。
参加を希望される方は、コメント頂くか、FBまでお知らせください。

高齢者の買物について考える

かねてより、高齢者の支援とIT活用について現場の方と意見交換させていただきたいと考えていたのですが、先日、ある地域の包括支援センターの職員さん、民生委員さん、そして地元企業さんから機会を頂く事ができました。高齢者の問題といっても幅広いですが、今回は『買物』に絞って意見交換させていただきました。

熊本のような地方都市の多くは車社会で、郊外型のショッピングセンターに人気が集まっているケースが多いと思います。
同時に、昔からの商店街がさびれ、シャッター街化するケースも増えています。
(他県の方にお話を聞くと熊本は頑張っていると言われますし、まだまだ、活気が残っているように感じますが10年後はどうでしょう…)
このような状況で、車を運転できなくなったお年寄りは、どのようにして買物をされているのかお話を伺い、将来像について意見交換しました。

高齢者の買物について、以下のようにブロック分けして考えてみました。
今回は『Aエリア』と『Bエリア』の話題になります。

食品をはじめとした生活必需品の買物事情について(Aエリア)ですが、こちらの地域では下図のような関係が生きているそうです。

定期的に注文伺いをする事が、安否確認になっているのですね。
ご近所付き合いもまだ生きているようです。
(但し、年配同士で、現時点で中年以下はこのサークルに参加していない)

上記のような関係は、ある日突然発生するのではなく、長年の関係の上に成り立っているのだそうです。
大手さんが新しいサービスを提供しても、高齢者の方は中々興味を示しませんし、効率化されたツールは使いこなしが難しいため、中々入り込めない。
一方、街の小売店は、後継者の問題などで、お店の維持が課題になります(このようなお店がなくなると地域の方は大変困られます)。
この辺りに、大手と地元店で連携する余地があるように感じます。
以前、街の電気店の生き残り手段として、配線等のサポートサービスが注目されましたが、生活必需品の小売店についても、同様のモデルが有効なのではないでしょうか。

また、お年寄りにとって、買物は貴重なコミュニケーションの機会であるようです。
物色するという行為、売買を通した店員さんとのコミュニケーションが喜びであるようです。

各地域で取り組まれている『出張商店街』のニュースを目にする機会がありますが、商業的な成功はともかく、お年寄りの非常に喜ばれている様子が印象的です。
まずは、このようなイベントを通して、商店街と高齢者の関係を再構築して行く事も方策の一つだと思います。

第二回開発プロセス勉強会

5月19日、今回も崇城大学さんに会場をお借りして、第二回の勉強会を開催しました。
今回は東京と熊本二つの事例を2名の方に発表をしていただきました。
学生さんにも沢山参加していただき、様々な視点から意見交換を行う事ができました。

派生開発手法(XDDP)の導入事例

派生開発の基礎と失敗例 - Google スライド

 熊本の組み込み系のプロジェクトにおける派生開発手法(XDDP)の導入事例について発表していただきました。
 ユーザー主導で開発手法を導入された例で、非常に興味深かったです。
 
 新しい開発手法は、まず、導入で手間取りますよね。そのハードルを越えた先のお話でした。
 導入はされたが、手法の肝がメンバーに浸透していない事や、忙しさから感じなプロセスがスキップされた結果、起こった事をお話していただけました。
 当たり前の事ですが、メンバーの理解とモチベーションが重要ですね。
 前回のゲスト「ヌーラボ」さんも一緒にやる仲間を探す事と継続の重要性を語られていましたが、今回の発表からも同様の教訓を得られるかと思います。
 
 個人的に、開発プロセス(チーム)の作り方は雪だるま作りに似ていると思っています。
 最初のコアの作り方と、それを大きくしていく作業の継続が大事ですよね。
 それを支えるのは、観測とフィードバックの仕組み作りかと思います。
 こちらをテーマにした会も開催したいです。

[ゲスト]株式会社 万葉の開発風景

 会社概要 - 株式会社万葉

 東京でRuby on Railsでの開発に実績を持つ『株式会社 万葉』さんのお仕事の様子をお話していただきました。
 女性プログラマーが活躍されている会社さん(経営者さんも女性)で、今回は出産に伴う在宅勤務の事例もお話していただきました。
 (Ruby周りのお話もゆっくりお伺いしたかったのですが、そちらもいずれ)

 開発者の価値を世の中に提供する環境づくりを目指されているそうです。
 派遣でのお仕事であっても開発者を一人にさせない仕組みを構築されているそうで、例えば、スカイプや自社開発の情報共有ツールで、常に社内の仲間とコンタクト(質問、相談、雑談)を取れる状態を構築されています。
 これは派遣先の社員さんも安心、且つ、孤独感を感じないで済みますし、派遣先の会社さんにとっても(例え新人であっても派遣元からフォローがある)メリットがあると思います。

 また、帰社日には、社内でLT大会を行われており、これが大変楽しいものだそうです。 
 仲間を集めにおいても、まずは自分が楽しそう(面白そう)に見えて人が集まってきてくれる事。次に、本質を正しく伝えられる事が大事だと思います。
 このLT大会はそういったスキルを育てる効果もあるのではと思います。
 熊本でも、LTやプレゼンを経験できる勉強会やイベントが沢山ありますね。

 そして、出産を機に在宅勤務されている方のお話を、インタビュー記事を交えて紹介していただきました。
 そちらの話を元に、参加者でディスカッションしました。
 普段、しっかり考えていなかったテーマだったので、良い気付きを得る事ができました。

(ディスカッション)在宅勤務との開発作業

 今回は当事者側ではなく、一緒に働く側(経営者、上司、同僚)の目線でディスカッションしてみました。
 「オープンソースの世界があるのだからやり方次第でもっと在宅の方を活用できるのでは」という意見や、参加された学生さんからは「むしろ同じ場に集まって仕事する様子がわからない」という意見もありました。

 在宅勤務の実現は何処が難しいのでしょう?
 
 契約
 評価
 信頼構築
 コミュニケーション

 色々なワードが出てきました。

 個人的には『仕事のモジュール化』の話になるのかと想像していました。

 図1

 
 実際には、以下のような意見交換になりました。

 環境構築面や仕事を進める上でのハードルは下がってきている
 在宅勤務にいたるまでのプロセスや契約に難しい面がある
 仮に外注先の一つとしての『在宅勤務者』が実現されたとしても以下の問題がある

 ・海外など、より安い労働力との競争の発生
 ・在宅管理者がいかにして信頼関係を築くか

 図2

 ゲストの万葉さんの発表でも、元々、会社と信頼関係を築いた社員さんが事情によって在宅勤務を選択した(それを会社がサポートした)例でしたし、
 外注に出される仕事が本当にモジュール化されているかというと、(個人の経験でも)そうでないケースばかりを目にしてきました。
 仕事の進め方以前に(こちらは何とかなる問題)信頼関係の構築がむしろ重要という事でしたが、個人で解決するには中々難しい課題ですね。

 在宅勤務は国やベンダーが推進しています (最近もこのようなリリースが 《リリース》ライフネスとNTTアイティ 人材派遣事業者向けサービス『在宅型派遣テレワークキット』を共同で開発:株式会社ライフネス)が、ハードやソフト環境の構築ばかり進めても本質的な問題は解決しなそうです。
 かつて派遣業務の拡大を進めた後に派遣切りの問題が発生したように、推進の方向性次第では、新しい問題の種を蒔く事になりかねないですね。

次回以降の勉強会

毎回、開発プロセスやチーム作りの『立ち上げ』と『継続』が話題にでますが、関連して以下の二つは今後テーマとして取り上げたいと思います。
・周囲の巻き込み
・プロセスの監視とフィードバック

また、CIとそのツールについて、同テーマを取り扱う勉強会は沢山ありますが、ハンズオンの機会を作りたいと考えています。
アジャイルであるかに関わらず知っておいて(活用できて)損はないと思います。各自のノートPCに環境があって、会社や仲間に啓蒙できたら良いかと。

その他、仕事のモジュール化についても考えてみる価値がある(これが上手くできないと、プロジェクトの過程でトラブルが起きやすいし外注にも出し難い)と思いましたが、こちらについてはテーマを細分化したいです。

熊本開発プロセス勉強会の『準備会』うろ覚え議事録

4月8日(日)第二回開催の前に、目的と方針の再確認、次回コンテンツの検証を行いました。
休日にマクドナルドの一角を占有して2時間の激論でした。
参加者の職業の多彩さ!皆さん有難うございました。

【参加者】 
Uさん(A社エンジニア)
Kさん(B社エンジニア)
Iさん(S大学助教
Mさん(K大院生)
U田さん(経営者)
T(シェアード熊本)

第一回を振り返って+この勉強会でやりたい事

Uさん :実践と検証を中心に
   例えば事例を話してくれる方などを招いて、話を聞き、掘り下げたディスカッションを行いたい。
   
   継続性についても検討したい。
   勉強会は途中から参加した人(もしくは間を空けた人)には、それまでの経緯が分からないのでついて行けなかったりする。
   そこで、つまらなくて辞めてしまう事もあるし、どうしても一回一回が単発の発表会になりがち。

Mさん :生の声がが嬉しい
   就職活動や資格試験などで聞く話は、言葉の意味は分かるのだが、具体的にどういう事か分からない事が多い。
   この会では、現場の人達の生の声が聞けるので、参考になる。とはいえ、わからないワードが沢山でてくるのでキャッチアップしたい。

Iさん :スピード感を出そう
   まず、プロセスに興味を持つ人達が、熊本にもこんなにいたという事が分かって良かった。
   個人的な意見として、開発者の多くは勉強に時間をかけすぎ。(大学ではキャッチアップには時間をかけない。実装に時間を割く)
   一つのテーマで一年かけてキャッチアップしていくようなスピード感では、世の中のルールの変化に対応できない。

Kさん :ダメな事はダメだと認識しよう
   開発プロセス等、習慣や方法論は上(会社やお客様)から来る事もあり、変えようにも変えられない事が多い。
   また、この辺りに意識を持つ仲間の数が少なく興味ももってもらえないので啓蒙も難しい。(何より圧倒的に日々の業務で忙しい)
   
   ダメなプロセスがダメである事を皆で認識したい。
   そこからスタートではないか。
   
U田さん:ビジネスと開発プロセス
   (Kさんのお話から発展したディスカッションを受けて)Kさんのお話は非常に実感が持てる。
   仕事にはプライムだけでなく、2次受け以降のケースもある。会社は存続させなければいけないので、売上を立てる事を考えなければならない。
   開発プロセス(の他にも新しい技術など、社員のやりたい事をやらせる事)との兼ね合いは非常に難しい。

T   :勉強会というよりは互助会に
   会の名前にはしっくり来ていないので変えたいが、良い言葉が浮ばない。
   勉強会というよりは互助会的な(もしくは共通のPMO)会にしたい。
   第一回の参加者の顔ぶれを見ると、勉強熱心な方が沢山いらっしゃるので、知識の収拾は各自、外部の会で行っているはず。
   それを誰か(困っている人)に伝えサポートする事で、実践、検証する場にしたい。

意見交換後のディスカッションまとめ

>スピードアップのためにサポートを
キャッチアップに時間をかかりすぎないように、会でサポートしてあげても良いのでは。
そして、皆が実践と検証に皆の時間をさけるようにしよう。
誰かが知っている事は教えて、自分が抱えている問題に一緒に取り組んでくれる仲間になってもらう。もしくは、次の(さらに大きな)課題に取り組んでもらうべき。

スコープを狭めて、会員がすでに効果を実感しているツール、例えば「jenkins導入講座」みたいな事をやっても良いのかも。
また、外部で仕入れてきた新しいツールや方法論を、自分の会社で実践できなかったとしても、メンバーの誰かが、実践できるフィールドを持っているかもしれない。
自分はダメでも誰かが出来るかもしれない。そこも、このような会の強みではないか?

>啓蒙と教育は大きな課題
社内で同じ問題に取り組む仲間をつくるにはどうすれば良いか?
上司を説得するには?
お客様にも一緒に考えていただく必要があるのではないか?

将来的に、経営層やお客様を巻き込んだ会も考えていきたい。
となると、ビジネスモデルや経営の話まで発展しそう。
経営者を招いて話を聞くのも面白いかもしれない。(例えば、なぜウオーターフォールか?等)

>お客様や経営者を招くのは面白いが…ビジネスモデル研究会になってしまう?
開発者メインで『開発プロセス』からスタートしているので、強引に広げすぎない方が良い。(ビジネスモデルを語るなら会の顔ぶれが変わる)
目の前の課題(ツールや方法論の導入)をクリアしていくと、各人が、自分の根本的な課題や目標に行き着くはず。
それが、啓蒙や教育なのか、ビジネスモデルなのか、経営の問題になるのかは各人によって違うだろうが、少しでも早く、それぞれの課題に取り組むためのサポートをこの会でできれば良いのではないか?

目的と方針

ディスカッションの結果から、この会の目的と方針は、当面、このようになります。

【目的(キャッチフレーズ的な)】
問題の共有/実践と検証/相互扶助

【方針】
1.キャッチアップの時間は短く/実践と検証に時間を
2.そのために助け合う         
3.次の課題は何か考える        

これをうけて、第二回はこのような発表コンテンツを予定しています。

◆派生開発(XDDP)実践レポート Kさん (事例検証)
◆jenkinsはじめの一歩     Uさん  (啓蒙&技術サポート)
◆ビジネスと開発プロセス U田さん (次の問題も考えてみる)

その他、ゲストも予定しています。
メンバーは口コミを中心に募集していますので、参加されたい方はメンバーの誰かに(もちろん私にも)アプローチしてください。
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