安定企業=成長途中の企業

先日、ルネサス工場再編のニュースがありましたが、熊本も、まず錦工場がその対象になっています。
九州はシリコンアイランドと言われていただけに、身構えるべきニュースですね。
http://www.asahi.com/digital/nikkanko/NKK201207060017.html

県は、工場の存続を要請とありますが、要請にこたえる余裕がルネサスにあるか。
仮に、今回、閉鎖を免れたとして、それが長期的な解決(県の雇用問題)となるか疑問です。
ルネサスが再建策を熊本県に説明 知事、錦工場存続を要請 :日本経済新聞

短期的には、大きな会社(特に工場)を誘致すれば雇用は増えるでしょうが、中長期的な安定を求めるのは難しい時期だと思います。
ならば、いっそベンチャー企業の誘致(もしくはスタートアップの支援)に(もっと)補助金をまわしてみてはどうでしょうか。
熊本の創業支援は県内の創業者に対して行われていますが、県外(海外)のアイデアや種を取り込む動きに予算をかけてみてはどうかと思います。

私の仕事柄、IT系の話になってしまいますが、営業拠点を東京や海外において、『開発拠点は地方都市』という形態は今後も増えて行くと思います。
九州にも魅力的なIT企業が少しづつ誕生しています。これらの会社の多くは世界に向けてサービスを展開させています。
そうなると、開発拠点が東京か福岡か熊本かなどは、小さな問題なのかもしれません。

生活の場として、熊本(九州)は素晴らしいところだと思います。
食べ物が美味しくて、阿蘇と天草(他にも沢山の自然)があって、温泉もいたるところにある。
従業員の健康を考えるなら最高です。人件費も安く抑えられます(家賃や食費が安いので、生活費にかける金額は東京の頃より大きく下がりました)。
足りないものは情報と刺激でしょうか。これは同業社が増えていけば勝手に盛り上がっていくと思いますし、その素地はあると感じています。

また、ベンチャー企業で働く人の何割かは、いずれ企業にチャレンジします。
(個人的な感覚値ですが、5人の会社であれば、一人は3年内に自分でチャレンジすると思います)
ベンチャー企業やスタートアップを数社招く事が、鼠算式に新たなチャレンジを産む事に繋がります。
極端な成功例がシリコンバレーですね。

とはいえ、県や市がベンチャー企業(やスタートアップ)の見定めをするのは、撤退しない工場の見極め以上に難しい事かもしれません。
もし、スタートアップ時のDeNAGREEが補助を求めて来た場合、県はそれに応えたでしょうか?
また、200人の雇用を生む工場への補助金が2億だったとして、同じ金額で、1000万ずつ20社のベンチャーを招いたとします。
5年後にどうなるか(何人の雇用に繋がるか)…確立の高いギャンブルではないでしょうね。大当たりの可能性はありますが。

スタートアップの誘致であれば、お金をかけないで、県や市だけに任せないでやれる事もあると思います。
少し前にこんな記事がありました。
【話題】『山村にIT企業進出』、徳島県神山町総務課に聞く | 財経新聞

熊本でも空き家や空き店舗がいたるところで目に付きます。
これらを有効活用できないものでしょうか。

県や市が用意した施設でも、審査が厳しい、または価格の問題で100%活用されていないと聞きます。
地域においても、身元の分からない人に貸すくらいなら「空けておいた方がまし」という声は根強いです。
なんだかんだ言いながら、日本はまだまだ豊か(選り好みしている状態)で、リソースは余っているのではないでしょうか。
規制が強すぎるか、我々にしみついた贅沢や欲のせいで活用できていないものは沢山ありそうです。

逆に、リソースを提供しても良いという場合があっても、それが情報として現れないケースも多そうです。
リソースの所有者がネットにアクセスしていないため、必要な人間に情報が届かないなど。

地方でのスタートアップに特化した物件情報サイトなんて、そろそろ出てくるかもしれませんね。
家賃をタダにできるモデルが見つかれば面白いと思うのですが、どなたか…